長野県は、周囲を複数の県に囲まれており、海に面していない内陸県です。そして、県内を大きな山脈が連なっており、同じ県内でも標高差が生じています。
このように、他の県と異なる特徴を持つ長野県では、その地理的要因に影響を受けた様々な食文化が発達してきました。
今回は、長野県で独自に発展していったおすすめ名物・グルメを紹介していきます!
長野県の食文化概要
地域の食文化には、その土地の地形や気候など、地理的要因が大きな影響を及ぼしています。そこで、まずは長野県の地理的特徴を紹介します!
以上のような地理的特徴があります。
周囲を山々に囲まれており、日照時間が長く、昼夜の気温差が大きい、標高差がある、広大な面積を有し地域によって多様性に富んだ気候をしているなど、様々な地理的特徴があり、その結果、食文化も非常に多様化しています。
以下では、そんな長野県で発展していった名物・グルメを紹介していきます!
長野県の名物①信州産の果物(リンゴ・ブドウ・モモなど)
長野県は、全国的に見て果物の生産が非常に盛んです。その中でも、リンゴやブドウ、ナシ、モモといった柑橘類を除く果物の生産は、全国でもトップクラスに入ります。以下では、その理由を紹介します。
果物の生産が盛んな背景
長野県は、リンゴやブドウ、モモといった果物の生産が非常に盛んです。その理由としては、以下のような長野県の気候的特徴が挙げられます。
(理由①)雨が少なく、日照時間が長いと、植物は太陽の光を存分に浴び、光合成を行うことができます。その結果、果物の中に養分をたっぷり蓄えることができ、果物の甘みと栄養が増します。
(理由②)植物は、光合成を行うと同時に呼吸も行っています。夜間は光合成を行わず、呼吸のみ行いますが、夜間の気温が高いと、呼吸が活発に行われ、光合成で蓄えた養分を消費してしまいます。夜間の気温が低いと、呼吸による養分の消費を抑えることができ、果物の中に栄養分を蓄えることができます。
(理由③)果物を栽培する際は、水を必要としますが、水を必要以上に与えてしまうと、根腐れによって果樹が枯れてしまったり、病気になったりします。そのため、水はけの良い長野県の土壌は、果物の栽培に向いているのです。
長野県の果物生産量(2020年、農林水産省出典)
リンゴ | 135,400t | 全国2位 |
ブドウ | 32,300t | 全国2位 |
スイカ | 15,000t | 全国8位 |
日本ナシ | 13,700t | 全国2位 |
モモ | 10,300t | 全国3位 |
カキ | 8,350t | 全国8位 |
スモモ | 2,510t | 全国2位 |
西洋ナシ | 1,510t | 全国4位 |
ウメ | 1,340t | 全国6位 |
プルーン | 1,235t | 全国1位 |
ネクタリン | 1,059t | 全国1位 |
アンズ | 751t | 全国2位 |
全国的に見ても、長野県の果物の生産量は非常に多いです。特に、リンゴやブドウ、ナシ、モモといった柑橘類を除く果物の生産量は全国で見てもトップクラスです。また、プルーンやネクタリンの生産量は、全国1位です。
多種多様な果物の生産を誇る長野県の果物をぜひ味わってみてください!
長野県の名物②信州そば
信州そばとは、長野県内で製造されたそば粉を使って作るそばのことです。長野県は、日本国内では北海道に次いでそばの生産が盛んであり、県内には信州そばのお店が非常にたくさんあります。
信州そばの特徴
信州そばには、以下のような特徴があります。
以上のような特徴があります。一口に信州そばと言っても、その種類・特徴は様々であり、地域によって独自の発展を遂げてきたようです。
そばの生産が盛んな背景
長野県は、そばの生産が盛んであり、その生産量は日本で第2位を誇ります(ちなみに第1位は北海道)。
このように、そばの生産が盛んな長野県において、その背景には、以下のような点が考えられています。
上記のような要因から、長野県においては、昔からそばの生産が非常に盛んであり、「そば切り」発祥の地とも言われています。
地域によって様々な特徴のある信州そばをぜひ味わってみてください!
「そば切り」とは:そば粉の生地を麺状に切ったもの
長野県の名物③おやき
おやきとは、長野県を代表する郷土料理の1つであり、以下のような特徴があります。
以上のような特徴があります。長野県の冷涼な気候の下で発展していった郷土料理です。
野沢菜や旬な野菜などを生地で包むことによって、包んだ餡のおいしさが生地の中で凝縮されています。
上記の写真のように、おやきの餡に使用する素材は様々あります。
長野県の特産物である野沢菜や、切干大根・ナス・カボチャなどの野菜類、キノコ、リンゴなど、なんでもOKです。小豆餡を入れて、和菓子風にすることもできます。
自分好みのおやきを探して、いろいろと食べ比べてみましょう!
長野県の名物④野沢菜漬け
長野県の伝統的な保存用の漬物に、野沢菜を利用した野沢菜漬けというものがあります。以下で詳しく紹介します。
「野沢菜」とは
- アブラナ科アブラナ属の野菜(同じアブラナ科アブラナ属の野菜としては、キャベツ・白菜・ブロッコリー・カリフラワー・ダイコンなどがある)
- 長野県の野沢温泉村で作られていたことが名前の由来とされ、「信州菜」とも呼ばれている
- 野沢菜漬けの原料となる長野県の特産品
- 成長すると、大きいものだと1m程の大きさになり、野沢菜漬けには葉柄の部分が使用される
- 長野県では、9月上旬頃に種がまかれ、10月下旬~11月下旬頃に収穫される
実際に食べてみると、非常にさっぱりとした味わいとなっています。
シャキシャキとした食感で、さわやかな風味があり、単品でも楽しむことができます。そばなど違う料理と一緒に食べても、それぞれの料理の味の良さを邪魔することなく、両方同時に楽しむことができます。
同じ長野県の名物のおやきの具材としても使われています。
ぜひ、自分好みの野沢菜の楽しみ方を探してみましょう!
長野県の名物⑤信州牛
信州牛とは、長野県のブランド牛のことで、以下のような特徴があります。
以上のような特徴があります。「リンゴで育った牛」というキャッチフレーズで世に出回っています。
飼料にリンゴを加えて牛に与えると、以下のような効果があります。
リンゴを牛に与えると。。。
- リンゴに含まれている糖質やビタミン類、ミネラルなどが、牛肉の肉質に良い影響を与え、独特の風味を与える
- リンゴの栄養価により、十分に肉が肥大し、霜降りができ、サシの部分が明確な白色となって粘り気がある
- りんご特有の酸味が、牛の食欲回復につながり、病気になりにくくなる
以上のような効果が牛に与えられ、良質な牛肉を生産することができます。
ぜひ、「リンゴで育った牛」を味わってみましょう!
長野県の名物⑥信州サーモン
信州サーモンは、長野県水産試験場が開発したサーモンの品種であり、海に囲まれていない内陸国である長野県において、独自の品種を作ろうとして生まれました。以下でその特徴を紹介します。
以上のような特徴があります。
長野県が長い年月をかけて開発した県独自の品種である信州サーモンをぜひ味わってみましょう!
サーモンとは:英語で鮭(サケ・シャケ)の意味であるが、日本ではニジマスを養殖した「トラウトサーモン」という意味で使われている
鮭(サケ・シャケ)
- 狭義には、海水魚である白鮭を意味するが、広義には、サケ科サケ属の魚全般を指す。
- 主に北太平洋域に生息しており、多くは河川で産卵し海で育つという特徴がある(海に行くか行かないかは個体によって異なる)。
- アニサキスなどの寄生虫がいるため、基本的には生食には向いていない
鱒(マス)
- サケ科サケ属ニジマスの淡水魚
- 淡水魚の鱒を海または河口などの海付近で養殖されたものは、トラウトサーモンと呼ばれる
- トラウトとは、英語で鱒を指す
最後に。。。
今回は、長野県のおすすめ名物・グルメを紹介しました。
周囲を山々に囲まれ、昼夜に生じる気温差が、果物やそばなどの農産物に良い影響を与え、いろんな名物・グルメが発達してきました。長野県には、今回紹介したもの以外にも、おすすめの名物・グルメがたくさんあります。地域によって特徴のある様々な名物・グルメをぜひ楽しんでください!
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