皆さんは、群馬県の名物にはどのようなものがあるか知っていますか??
自分は、初めて群馬県に来た時、「青森県はリンゴ、山形県はサクランボ、山梨県はブドウなどの名産があるけど、群馬県の名産ってどんなものがあるのだろう??」という疑問がありました。自分と同じように、群馬県に初めて来た人たちの中には、同じような疑問を持った方もいるかもしれません。
長く群馬県で生活してきた人たちの中にも、「今まで当たり前のように群馬県で色んなものを食べてきたけど、実際群馬の名産って何なんだろう??」「他県から引っ越してきた人に群馬の名産を聞かれたんだけど、何をおすすめしたら良いのだろう??」という方もいるかもしれません。
そこで今回は、元・青森県民の自分が群馬県で色々調べたり、実際に食べたりしてきた群馬県の名物・名産グルメについて、自分の主観も含めて紹介します!
群馬県の食文化概要
群馬県は、昔から小麦の生産が盛んであり、その生産量は、日本全国で第4位(本州の中では第1位)です(ちなみに、第1位は北海道)。
そんな群馬県では、小麦を使った食文化、いわゆる「粉食文化」が広まってきました。
小麦について
ここで、小麦の生態について、簡単に説明します。シンプルに早く群馬名物を知りたい方は、読み飛ばしてもらって大丈夫です!
- イネ科コムギ属の植物
- 一般的には、種子が発芽するためにある程度の低温期間の継続が必要(春化)となり、秋に種を蒔いて、越冬し、夏に収穫するのが基本となる(種子発芽のための低温要求の低い品種もある)
- 湿害に弱く、土壌が湿りすぎると、生育障害が起きてしまう
- 収穫期に雨に当たってしまうと、小麦の穂が発芽してしまい(穂発芽)、貯蔵デンプンやタンパク質が分解され、品質が著しく劣化してしまう
- 麺類向けの品種は、収穫期の多湿多雨に比較的強いが、パン向け品種は弱い
- 小麦から作られる小麦粉は、含有タンパク質の多い順に①強力粉(パンなど)→②中力粉(うどん、お好み焼など)→③薄力粉(ケーキ、クッキーなど)に分類される
小麦の生産に適した群馬県
小麦については以上のように、簡単に言うと多湿に弱いという特徴があります。
群馬県は、周囲を山に囲まれた土地柄により、からっ風が多く吹き(特に冬にみられる北西風である赤城おろしが有名)、それにより空気は乾燥しています。また、土壌は火山噴出物を多く含み、水はけが非常に良いです。
群馬県は、以上のような地理的特徴があり、この特徴が小麦の生産に適していました。そのため、群馬県では、米と小麦の二毛作が行われ、小麦を利用した食文化が発達していきました。
群馬名物・名産グルメ①(小麦関連)
水沢うどん
“水沢うどん” は、群馬県渋川市伊香保町水沢の名物うどんです。
その起源は、水澤観音の参拝者向けに作られていたとされています。
水澤観音近くには、水沢うどんを食べることのできる店舗が立ち並んでいるエリアがあり、このエリアは「水沢うどん街道」と呼ばれています。水沢うどん街道は、伊香保温泉街からも近く、温泉とうどん両方を楽しむことも可能です。
水沢うどんは、香川県の「讃岐うどん」秋田県の「稲庭うどん」と並んで日本三大うどんに選ばれています。
水沢うどん街道にある店舗の1つである「田丸屋」さんで頂きました!
麺は、やや太めであり、もっちりとした食感で弾力があり、加えてのど越しも良く、普通のうどんとの違いを実感しました。醤油たれと胡麻たれどちらでも美味しく頂くことができました。
おっきりこみ
“おっきりこみ” は、群馬県や埼玉県北部の郷土料理の1つであり、麺を野菜やキノコなどと一緒に煮込んだ煮込み料理です。
写真のような幅の広い麺を、野菜やキノコなどと共に、醤油または味噌ベースの汁で煮込んで食べます。一緒に煮込む野菜は、大根、にんじん、ネギ、舞茸、ホウレンソウなど様々で、鶏肉や豚肉を入れることもあります。
鍋の中に、麺を切っては入れ、切って入れ、他の野菜と煮込んでいる様子が「おっきりこみ」の名前の由来となっています。
「おっきりこみ」と普通のうどんとの違いは、
- 麺を作る際、塩を加えずに作るため、うどんよりも柔らかい麺となる(グルテン形成が関与)
- 麺を汁に入れる前にゆでず、生麺のまま他の食材と一緒に煮込むため、生麵の打ち粉が汁に溶け出し、汁にとろみを加えることができる
以上のような違いがあります。また、薄く、幅広く麺を切ることで、麺に火が通りやすく、煮汁も染み込みやすいと言われています。
このような特徴がある「おっきりこみ」は、農林水産省の指定する「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれています。
高崎パスタ
群馬県高崎市は、人口当たりのパスタ店が全国的にも多いと言われています。
小麦の生産量の多い群馬県において、パスタは高崎市民の生活と密接に関わってきており、高崎パスタは高崎市のソウルフードとなっています。
そんな高崎市内には、数多くのパスタのお店が出店されています。
他にも様々なパスタ店があります。
自分のお気に入りのパスタ店を探してみてください!
ひもかわうどん
“ひもかわうどん” は、群馬県桐生市に伝わる郷土料理の1つであり、麺の幅が広く、厚みが薄いうどんである。麺が平たいことから “平打ちうどん” とも呼ばれています。
麺が普通のうどんと比べて非常に薄いですが、モチモチした食感で弾力があり、幅は広いですが、ツルっとしていてのど越しが良く、普通のうどんと比べて、その独特な食べた時の感覚が新しく感じると思います。
麺の幅も、2㎝ほどのものから5㎝を超えるものなど、その幅の大きさは様々です。
主観ですが、麺の幅が広いため、口に入れた瞬間、うどんの味も口の中にあっという間に広がっていく気がします。
いろんな幅の大きさのひもかわうどんを楽しみましょう!
ソースカツ丼
群馬県は豚肉の生産も盛んに行われています。豚へ与える飼料に、麦を多く含む飼料を使うことによって、くせのないあっさりとした風味の豚肉となる「上州麦豚」など、様々な銘柄豚が存在します。
群馬県の豚の飼育数は、日本全国で第4位となっています(2018年)。
そんな豚肉の生産も盛んな群馬県において、名物グルメとして広まったのが “ソースカツ丼” で、特に桐生市や前橋市ではソウルフードとなっています。
群馬県のソースカツ丼の特徴としては、
- キャベツなどは乗せず、カツとご飯だけの丼にソースをかけただけのシンプルなものが多い
- 卵でとじたり、汁を使ったりしないため、サクサクとした衣を楽しむことができる
などの特徴があります。
ソースカツ丼のカツはヒレ肉を使うことが多いが、地域によってはロース肉やモモ肉を使うところもあります。
お店ごとにも味付けやソースが異なるため、お店によって様々な味を楽しむことができると思います!
焼きまんじゅう
“焼きまんじゅう” は、群馬県の郷土料理の1つであり、小麦の生産が盛んな群馬県において、昔から県民に愛されている群馬県のソウルフードです。
蒸したまんじゅうを竹串に刺して両面をこんがりと焼き、両面に甘辛い味噌たれをたっぷりと塗って食べるのがオーソドックスです。
まんじゅうの中身は、何も入っていないのが普通であるが、地域によっては餡が入っているものもある。
まんじゅうはふわふわモチモチとした食感で、まんじゅう自体の味は淡白であるが、味噌だれの味が濃厚で、まんじゅう自体の味と味噌だれの味が喧嘩することが無く、非常にマッチしています。
群馬県のソウルフードとして愛されている焼きまんじゅうは、お花見や夏祭りなど、県内様々な場面で食べることができるので、ぜひ味わってみてください!
太田焼きそば
“太田焼きそば” は、群馬県太田市のご当地グルメです。
「太麺」の焼きそばに紅ショウガと青のりをトッピングした昔ながらの焼きそばといったイメージです。
太田市は、昔から工場が多いです。日本の高度経済成長期に出稼ぎや移住してきた労働者が増え、その労働者向けに出されていた焼きそばが広まっていった、もしくは出稼ぎにきた東北出身者によって、秋田県横手焼きそばが太田市にも広まったなど、太田焼きそばが広まった理由には諸説あります。
麺の太さや硬さ、味付けに関しては、店舗ごとに個性があります。自分好みの太田焼きそばを探すのも楽しいかもしれません。
湯の花まんじゅう
群馬県の伊香保温泉街で食べることができます “湯の花まんじゅう” です。
この伊香保温泉の「湯の花まんじゅう」は、温泉まんじゅうの発祥地ともいわれています。
そんな湯の花まんじゅうは、伊香保温泉石段街で「勝月堂」や「花いちもんめ」など数多くのお店が出店されており、石段街での食べ歩きやお土産にも最適です。
「勝月堂」さんで購入した湯の花まんじゅうです。大きさはちょうど一口サイズになっており、食べやすいです。中には小豆餡が入っていました。
まんじゅうの皮は柔らかくてふわふわ、中の小豆餡は、甘さが若干控えめといった感じでした。
ちなみに、湯の花まんじゅうには保存料が入っていないため、賞味期限は購入日から2~3日となります。購入したら早めに食べ切るようにしましょう!
群馬名物・名産グルメ②(小麦以外)
利根沼田産リンゴ
群馬県は、あまり知られていませんが、リンゴの生産も盛んとなっています。
その生産量は、青森県や長野県と比べると劣るものの、日本全国で第8位の生産量(2018年)を誇り、関東地方では最大の生産量となります。
群馬県内でも、沼田市とその周辺地域は、昼と夜の寒暖差が大きく、日照時間が長いなど、リンゴを生産するうえで、好条件が揃っています。
「吹割りんごの手作りアップルパイ」です。群馬県の観光スポットの1つである “吹割の滝” の近くにある「吹割の滝 伽羅苑」というお店で購入することができます。
ちなみに、リンゴ及びその加工品は、個人的に冷やして食べることをおすすめします!
リンゴに含まれる糖分の1つであるフルクトースは、冷やすことで甘みが増すという性質があるので、常温で食べるよりも冷やしてから食べた方が、よりおいしく味わうことができると思います。
下仁田産こんにゃく
群馬県は、こんにゃく芋の生産も盛んに行われています。
こんにゃく芋の特徴として、
- 気温13度以下では「枯れる」「腐る」といった症状を起こす=低温に弱い
- 生育に適度な日差しが必要で、日差しが強いと枯れ、日照時間が短いと腐ってしまう
- 過湿にも乾燥にも弱く、土壌の水はけの良さは必須
以上のような特徴があり、非常にデリケートな植物です。
群馬県下仁田町は、山間地にあるため水はけがよく、日照時間も適当で、気温もそこまで低くなく、こんにゃく芋栽培に適しており、こんにゃく芋の栽培が盛んに行われていきました。
群馬県のこんにゃく芋の生産量は、日本全国で第1位であり、日本のこんにゃく芋の約92%は群馬県で生産されています(2017年)。さらに、群馬県で生産されているこんにゃく芋のうち、半分以上は下仁田町で生産されています。
群馬県には、「こんにゃくパーク」というこんにゃくのテーマパークもあります。
こんにゃく生産の90%以上のシェアを誇る群馬県のこんにゃくをぜひ味わってみましょう!
上州牛・上州和牛
“上州牛・上州和牛“ は、群馬県のブランド牛です。
周囲を山に囲まれた群馬県の自然の中で放牧されて育った上州牛は、筋肉が発達しており、引き締まった筋肉質の赤身と、適度な脂肪により、肉の旨味をしっかりと味わうことができます。
写真は、群馬県内にある上州牛・上州和牛を食べることのできるお店の1つ「GGC前橋小相木店 上州牛ステーキとハンバーグ専門店」の上州牛ステーキです。
上州牛は、薄切りならすき焼きやしゃぶしゃぶに、厚切りなら焼き肉やステーキなど、様々な食べ方があります。
自然豊かな群馬でのびのびと育った牛肉を楽しんでください!
最後に。。。
今回は、群馬県のおすすめ名物・名産グルメについて紹介しました。
群馬県の気候や土地柄に合った食材を利用したグルメ、特に小麦を利用したうどんやパスタ、郷土料理などがありました。
その土地の名物を楽しむ際は、その土地の食文化の歴史を学びながら、グルメを楽しむのも良いかもしれません。
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